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「何を笑っている」
まるで、鋼鉄を思わせるような。
耳にじんと響く低い声が彼の耳朶を震わせても、彼はこみ上げた笑いを消すことが出来なかった。
その間にも上腕がきつく何かで巻かれ、プツッと一番濃く血脈が浮き出る場所を針が穿つ感触がする。
先ほど男たちが言っていたあれ、というのを打たれたらしい。
それでも笑わずにはいられなかった。
なのに、目の前が溢れだした液体でどんどんと見えなくなっていく。
最早自分でも制御しきれない感情があふれ出し、彼は思考することを放棄した。
笑わないままの、鋭い双眸が射る。
その持ち主が、早急に薬が回りだした彼の身体に手を伸ばし始めた男たちの親玉だった。
体中がどうしようもない熱で覆い尽くされたところで、両胸の中心で色づく突起を二人の男たちが
指でつまんだ。ぺたりと座り込むように上体を抱えあげられたところで、ようやく真正面から彼らの親玉を
目にすることが出来た。
その親玉を目前にしたところで、下卑た笑みを浮かべた男たちが指を引っ込めると、両側から青年の胸の突起へ
舌を伸ばし始める。わざとらしく濡れた音を立てながら柔らかな舌で舐られ、身体を覆う熱が表情にまで
現れ始めた彼の唇は、確かに喘ぎ始めていた。
「う、ぁッイヤ、だッ」
左右に首が緩やかに振られると、先ほどまで眦に溜まっていた涙の残滓が零れていく。
それすらも煽られると、また誰かが笑って彼の頬を舐めあげた。
催情剤
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